成年後見・保佐・補助

あなたの支援者(これからは成年後見人等といいます)は、あなたの希望を尊重し(「自己決定の尊重」といいます)、家庭環境や生活状況、体力や精神状態などを配慮して(「身上配慮義務」といいますが、実際に介護等をするものではありません)、あなたにとって最も良い方法を選び支援することになります。

例えば、あなたに代わってアパートの賃貸管理をしたり、または、そのアパートを売って、その代金であなたの入院費を継続的に支払う権限(代理権という)を成年後見人等に与えたり、判断能力が衰えていることにつけ込まれ、不必要なものを買わされてしまった場合、成年後見人等の同意(同意権)なく契約してしまったとしたら、その契約を取り消すことができる権限(取消権という)を与えるなど、権限を上手に組み合わせることによって、あなたの望む暮らしを支援していきます。

当事務所の成年後見などの受任状況実績

当事務所は、多数の成年後見人等に就任しています。成年被後見人の居住用不動産の売買など(家庭裁判所の許可必要)の経験があります。平成30年10月1日現在70件(終了含む)の実務経験があります。

 当事務所が受任している成年後見等は、家庭裁判所の推薦依頼がほとんどです。候補者が家庭裁判所から不適任とされ、選任された事案もあります。当事務所では、家庭裁判所の候補者の選定基準を受任事例からある程度推認していますので、候補者となる場合にはぜひ当事務所に申立書作成を依頼して下さい。ただ、申立書を作成するだけでなく、申立の目的に沿った申立書の作成をアドバイスをしながらしていきます。

成年後見リーガルサポートの会員の司法書士と会員でない司法書士の違い

●家庭裁判所の取り扱いでは、成年後見リーガルサポートの会員の司法書士は、専門職後見人として取扱いがされます。また、、成年後見リーガルサポートは、家庭裁判所の成年後見人等の候補者の名簿を提出しますが、2年毎の名簿登載更新のためには、一定の研修(倫理研修を含む12単位+指定研修(ディスカッション形式))を受講しないとなりません。この名簿にない司法書士は、家庭裁判所の推薦依頼を受任することはできません。監督人にも選任されません

●、成年後見リーガルサポートの会員の司法書士は、受任している成年後見等について半年に一度収支の状況、財産の概要等の報告を、成年後見リーガルサポートにします。場合によっては、報告と実際の財産の状況が一致しているかを確認するために通帳の原本を、成年後見リーガルサポートに提示します。

●、成年後見リーガルサポートには、家庭裁判所より実務上の要望や変更点などがタイムリーに伝えられ、会員にも周知されます。

以上の名簿更新のための研修、、成年後見リーガルサポートへの報告等によって家庭裁判所からの推薦依頼を受任することができるのです。

、成年後見リーガルサポートの会員でないの司法書士は、以上の研修は受講しませんし、や家庭裁判所の推薦依頼の受任をすることはできませんし、、成年後見リーガルサポートからの情報提供もありません。これらの点で実務経験に大きな差が出てきています。

 実際に、成年後見リーガルサポートの会員でない司法書士の作成した成年後見申立書で候補者が選任されないで当事務所が家庭裁判所の推薦依頼に基づき受任した事例が何件かあります。いずれも、候補者が選任されないことを遺憾に感じているようでした。

 成年後見リーガルサポートの会員でないの司法書士の取り扱いは、一般社団法人、NPO法人も同様と考えてよいでしょう。

 

親族の成年後見人の候補者と後見支援信託等の基準

成年被後見人の現金、預貯金の合計がおおむね1000万円に満たない場合、問題がなければ選任されます。東京家庭裁判所では、金500万円ですので、運用変更の可能性があります。

成年被後見人の現金、預貯金の合計がおおむね1000万円未満で他に有価証券などの財産がない場合、問題がなければ後見支援信託の利用の上、選任されます。ただし、財産の額が一定以上を超える場合には、専門職の成年後見人が選任される場合があります。なお、後見制度支援信託を利用しないで専門職の後見監督人選任の場合もあります。

→他に有価証明などの財産がある場合には、専門職の成年後見人が選任されます。

成年後見・保佐・補助の重要事項の説明

成年後見人・保佐人・補助人が選任されるともう関係ないと考え、関与を否定する方がいらっしゃいますが、親族である以上、一定程度の関与は必要になります。

申立書に候補者を記載する場合がありますが、候補者が選任されるとは限りません。親族間に争いがある・候補者が高齢者・複雑な場合などは、候補者が選任されないと考えてください。親族間に争いがある場合には、申立書の作成を依頼された司法書士も選任されることはありません。

※当事務所が成年後見人などに選任された場合、後見制度等は本人の利益のために存在するため、家庭裁判所の指示のもと依頼者の意思に反する場合があります。

 例 本人が入院したため、医師に、親族が謝礼を支払った → 社会通念上、相当な範囲を超える金額の部分について支払いを拒否

一定の財産(預貯金が1,000万円以上)がある場合などには、家庭裁判所の判断によって、専門職後見人や監督人が選任され、その報酬が別途必要になる場合があります。また、後見制度支援信託が利用される場合もあります。

成年後見人などの報酬は、家庭裁判所の審判によります。当事務所が成年後見人などに選任された場合には、家庭裁判所の審判による報酬が継続的に必要になります。

原則・成年被後見人などが死亡するまで続き、家庭裁判所の監督を受け、一定の報告などが必要になります。

後見開始の審判により成年被後見人は、医師・免許業・取締役・監査役・司法書士などの欠格事由になります。

申立費用は、申立人負担が原則になります(成年被後見人などではありません)

相続税対策や投資信託・親族所有の住宅建築のための成年被後見人所有の敷地の提供はできなくなります。就任後の郵貯銀行の調査については、通常貯金と証書式などで別途の手続きが必要なので、ゆうちょ銀行に調査依頼をすることをおすすめしています。

申立前を含め、成年被後見人などの財産を私的に使用した親族などがいる場合には家庭裁判所の指示のもと返済してもらう場合があります。

申立にあたっては、親族の意向照会があるので、親族の同意書があると審判がはやい場合があります。 

成年後見・保佐・補助に申立の取下げには、家庭裁判所の許可が必要です。

家庭裁判所に提出された書類は、当事者及び利害関係人に申請があれば閲覧はコピーされることがあります。

申立ができる人

本人 配偶者 四親等内の親族 未成年後見人、市町村長などです。

四親等の親族とは、主に次の人たちです。

●親 祖父母 子 孫 ひ孫

●兄弟姉妹 おい めい

●おじ おば いとこ

●配偶者の親・子・兄弟姉妹

成年後見 保佐 補助 申立に必要な書類

□申立書 

□本人の成年後見用診断書 →医師に記載してもらって下さい。

 

□本人の戸籍謄本 

□本人の住民票又は戸籍の附票(戸籍の附票は本籍地の役場で取得できます)

□本人の登記されていないことの証明書

(郵送申請の場合には、東京法務局に申請します)

※本人以外が取得する場合には、後見等の申立権者(四親等内の親族)であ

ることを証明する戸籍等が必要です。

 

□成年後見人等の候補者の住民票又は戸籍の附票 

□親族の同意書

□申立事情説明書

 

本人に関する資料

□本人事情説明書 □財産目録 □親族説明図

□健康状態が分かる精神障害者手帳、身体障害者手帳、療育手帳、要介護の

程度が分かるもの(介護保険認定書など)のコピー

 

□不動産登記事項証明書

□固定資産評価証明書

□預貯金、投資信託、株式についての資料

(通帳 →過去1年分 株式の残高証明書等のコピー)

□生命保険、損害保険についての資料(証書等のコピー)

□負債についての資料(請求書などの写し)

□収入についての資料(確定申告書、給与明細書、年金額決定通知書などの写し)

□支出についての資料(納税通知書、国民健康保険税の通知書、介護保険料の

通知書、家賃・医療費・施設費の領収書の写し)

□遺産に関する資料(遺産目録 遺産目録を証明する資料のコピー、相続関係説

明図

 

□候補者事情説明書

詳しくはこちらで確認お願い致します。

 

成年後見人・保佐人・補助人の執務

就任当初の事務 ●本人の生活及び財産状況の調査●財産目録などの作成 ●金融機関への届け ●年金事務所への届け ●市役所への届け(固定資産税・健康保険など) ●郵便物の管理(本人 印 代書人 成年後見人) 

●家庭裁判所への定期などの報告

※医療行為の同意は、職業後見人などはできないのが原則です。

※職業後見人などは、身元保証人などにはなれません。

就任中の事務 ●財産管理事務(民法589条) ●身上看護義務(民法858条) ●事務処理に関する記録の作成 

執務終了時の事務 ●遺体の引取、埋葬、葬儀費用の支出、相続人などへの財産の引継ぎ ●東京法務局への後見などの終了登記の申請(本人死亡の場合) ●財産目録の作成・就任から終了までの管理の計算を家庭裁判所及び相続人などにする(民法870条)

成年後見人等の就任当初の事務 チェックリスト

□ 確定証明書を取得したか(選任後3か月以内であれば、審判書と確定証明書で後見人としての資格を証明するものになります。ただ、金融機関等によっては登記事項証明書を要求するところもあります

 

□ 金融機関すべてに後見等の届をしたか

 必要なもの □ 通帳  □ 成年後見人等の印鑑証明書(3か月以内) □実印 □審判書 □ 審判確定証明書 □免許証等

 

□ 年金の届をしたか

 必要なもの □印鑑 □ 審判書 □ 審判確定証明書 □代表者の免許証

□ 年金証書の引渡しを受けたか  □再発行の必要があるか

□ 書類の送付を成年被後見人等が住所移転しても送付先が変更にならない手続きをしたか

□ 振込先を成年後見人等の名義に変更したか

 

□ 市区町村役場(税金 介護保険 手当 健康保険)への届をしたか

 必要なもの □ 印鑑 □ 審判書 □ 審判確定証明書 □免許証等

□ 固定資産税等 健康保険税 介護保険税等の引落先を成年後見人等の通帳に変更したか

□ 電気 引落先を成年後見人等の通帳に変更したか

□ ガス 引落先を成年後見人等の通帳に変更したか

□ 水道 引落先を成年後見人等の通帳に変更したか

成年後見人・保佐人・補助人の欠格事由

成年後見人・保佐人・補助人の欠格事由(なれないし、なると資格を失う)には、次があります(民法847条 876条の2 876条の7 任意後見法7条4項)。

・未成年者 
・家庭裁判所で免ぜられた法定代理人、保佐人又は補助人
・破産者  
・被後見人に対して訴訟をし、又はした者並びにその配偶者及び直系血族
・行方の知れない者

上記のとおりですが、家庭裁判所で免ぜられた法定代理人には、遺言執行者・不在者財産管理人・相続財産管理人などが含まれます。特に遺言執行者は、親族間の対立から解任請求が家庭裁判所にされるので注意が必要になるので、職業後見人などは特に注意が必要です。

実際の事例ですが、成年後見人に不祥事があった場合、家庭裁判所は辞任を許可せず(民法844条)、解任します。必然的に成年後見人などの欠格事由に該当しますので、複数の成年後見人などになっている場合には、一度にすべてが欠格事由になります。

 

後見支援信託

後見制度支援信託は、後見制度における方(ご本人)の財産のうち、日常的な支払いをするのに必要十分な金銭を預貯金等として後見人が管理し、通常使用しない金銭と信託銀行等に信託する仕組みのことです。成年後見と未成年後見において利用することができます(補助・保佐はできません)。

信託財産は、元本が保証され、預金保険制度の保護対象にもなります。

後見制度支援信託を利用すると、信託財産を払い戻したり、信託財産を解約したりするにはあらかじめ家庭裁判所の発行する指示書が必要とします。

このように後見制度支援信託は、ご本人の財産の適切な管理、利用のための方法の1つです。財産を信託する信託銀行等や信託財産の額については、原則として司法書士等の専門家後見人がご本人に代わって決めた上、家庭裁判所の指示を受けて、信託銀行等との間で信託契約をします。

 

この制度は、日常生活に必要な金銭についてのみ後見人に使用できるようし、日常生活に必要のない金銭については、信託銀行等に信託されているので家庭裁判所の指示書がないと使用ですることができません。成年後見人等による本人の財産の横領が問題となっているための不正防止が目的の1つになります。

例えば、本人の日常生活に必要な金銭が月々20万とします。信託銀行から毎月20万が成年後見人名義の口座に入金されます。この入金された金銭を本人の日常生活に使用します。臨時に金銭が必要な場合には、家庭裁判所に指示書を発行してもらい信託財産から金銭の払い戻しをして使用します。日常生活に必要な金銭以外の金銭を信託することにより、日常生活以外の金銭の不正使用(横領)を防止することができます。

詳しくはこちらで参照お願い致します。

家庭裁判所リーフレット.pdf

居住用不動産の売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分

民法第八百五十九条の三  成年後見人は、成年被後見人に代わって、その居住の用に供する建物又はその敷地について、売却、賃貸、賃貸借の解除又は抵当権の設定その他これらに準ずる処分をするには、家庭裁判所の許可を得なければならない。

民法では、上記のように規定し、成年被後見人の居住用の不動産の処分について家庭裁判所の許可にかからしめることによって成年被後見人を保護しています。この条文は、保佐・補助にも準用されています(民法876条の2 876条の7)。なお、任意後見には準用はありませんが、任意後見契約書には、任意後見監督人の書面による同意がされている場合が多いです。実務上、非常に重要になります。
 

居住用不動産とは、何か。下記はいずれも居住用不動産と理解されています

将来居住する可能性のある不動産・帰る見込みが立たない以前の生活の本拠(現に使用している場合には限りません)

建物を取壊して敷地だけある土地

信託、リバースモーゲージなど

居住用不動産の処分とは何か。

建物の取壊しは、通常処分でないか、本状条文では、法の趣旨から処分に該当すると解釈されています。

賃貸住宅に居住して、特別養護老人ホームに入所した場合の賃貸借の解除についても本条文の許可が必要になります。

無償で住宅を借りていて(使用貸借)、特別養護老人ホームに入所した場合の使用貸借の解除についても本条文の許可が必要になります。 

判断に迷ったときは、家庭裁判所に事前相談や念のため許可を求めるべきです。許可のない行為は、無効です。

家庭裁判所の審査基準 処分の必要性・処分条件の相当性・本人の生活、身上看護の状況・本人の意向・推定相続人の処分に対する態度などです。

居住用不動産の売却、抵当権の設定の家庭裁判所の許可に必要な書類

居住用不動産の売却許可申請の必要な書類の例

●許可申請書(許可申請の理由等を詳細に記載します)

●売買契約書(写し) →契約書の特約条項に家庭裁判所の許可がでない場合には白紙撤回条項を入れます。又は契約書の案

●不動産の評価証明書(写し) 

●契約の相手方の住民票 

●不動産の査定書 

居住用不動産の抵当権設定許可申請の必要な書類の例

●金銭貸借契約書(写し)

●保証委託契約書(写し)

●抵当権設定契約書(写し)

居住用不動産の処分の許可と所有権移転登記、抵当権設定登記などの登記済権利証、登記識別情報の添付の可否

所有権移転登記、抵当権設定等などを申請する場合には、登記済権利証、登記識別情報を添付することが原則で、紛失等で添付できない場合には、事前通知、本人確認情報などの手続きが必要です。

しかしながら、裁判所が選任したものが申請人であること、当該不動産の処分に関する裁判所の許可書が併せて提供されている場合には登記済権利証、登記識別情報の提供が不要で、事前通知、本人確認情報などの手続きも不要とされています(登記研究 779 119項〜121項)。

成年後見人、保佐人、補助人は裁判所から選任された者であり、居住用不動産の所有権移転登記、抵当権設定登記等の許可を受けているので上記要件を満たします。

なお、裁判所の許可を受けない場合(非居住用)の場合には、登記済権利証、登記識別情報を添付することが原則で、添付できない場合には、事前通知、本人確認情報などの手続きが必要です。

成年後見と相続税の申告期限

相続税の申告で相続人が1名で、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあった場合のの申告等の期限はいつでしょうか。

相続税の申告及び納税の期限は、被相続人の死亡したことを知った日の翌日から10か月以内です。知ったときから起算します。本件場合、成年後見制度が利用された場合には、成年後見人が就任した日(確定日)から10か月となると考えます。成年被後見人には相続税の申告が必要な相続が発生したことが分からないからです。

具体的な事案は税務署で確認お願い致します。

成年後見・保佐・補助選任申立書作成 費用

司法書士報酬 金100,000円(別途消費税が課税されます)

収入印紙  申立用 後見 800円 保佐 1,600円 補助 2,400円 登記用 2,600円                               

予納切手  500×6 82×20 50×5 10×15 2×10(合計 5,060円)

小為替  1通 100円(送付による戸籍等の取得の支払方法)

戸籍  1通 450円

改正原戸籍、除籍謄本 1通 750円

住民票、戸籍の付票 1通 200円など

鑑定料  事案によっては鑑定料が必要な場合があります。

送料、交通費  実費

委任契約時に報酬を含め、金13万円を預かります。

▲このページのトップに戻る