相続人は、原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に単純承認・限定承認・相続放棄をしなければなりません(民法915条)。単純承認は、被相続人の一身専属権を除く債権債務の一切を相続します。何もしないと自動的に単純承認になります(921条)限定承認は実務上ほとんどないので説明は省略します。

実務上、相続財産を受け取らない内容の遺産分割協議に合意した相続人が相続放棄したということがありますが、債権を放棄しただけで債務の免除の効力はありません。この場合、この遺産分割協議の内容に債権者が承諾した場合に限り、その相続人は債務を負担しなくなります。実務上、特別受益証明書(民法903条)で事実上、放棄した場合も同様になります。

相続放棄は、 家庭裁判所に原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に申述しないとできません(民法938条)。この3ヶ月の起算点についてはこちらを参照お願い致します。 

相続放棄の効力は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなされる(民法939条)ことになります。初めから相続人でないことになるので、プラスの財産も負債も相続しません。代襲相続の原因にもなりません。

包括遺贈の放棄

すべての遺産を甲に遺贈するような包括遺贈の放棄手続きは、家庭裁判所での相続放棄と同様の手続きになります。

相続放棄の流れ

初回面談相談 手続きや費用等の説明の上、委任契約をします。費用として、金40,000円を預かります。

当事務所が、書類の収集、申述書の作成をし、お客様に内容を確認していただき、了解をしただけでは、お客様が申述書に著名、押印をし、家庭裁判所に提出します。

家庭裁判所から、追加書類等の指示があれば、提出します。

お客様に家庭裁判所から照会書が送付されます。記載して家庭裁判所に送付します。

手続きが終わると家庭裁判所から相続放棄受理の通知書が到達します。必要に応じて、相続放棄申述受理証明書を家庭裁判所で取得します(郵送可能)。

被相続人の債権者から請求があった場合には、相続放棄申述受理証明書などの写しを送付等をして対応します。

相続放棄をする理由は次のものがあります。                                                                      ①被相続人の負債を相続したくない                                                                                            音信不通だった被相続人の相続人になってしまった。負債の存在も分からないので、相続人になりたくない。

要するに負債の相続がらみがほとんどです。若乃花は負債に関係なく父の相続に関し、相続放棄をしましたが、(遺産分割協議すらしたくなかった?)、そのような例もあります。相続放棄の効力は絶対的なものなので、負債を相続したくないならまず相続放棄をすべきなのです(もっとも確実で、費用がかからないでしょう 債権者の承諾もいりません)。ただ、相続人でなくなるので、プラスの財産も相続することはできません。

相続放棄ができなくなる場合

被相続人の権利義務を承継することを相続人が無限に承認することを単純承認(民法920条)といいます。

民法921条 

次の場合には、相続人は単純承認をしたものとみなす。

1 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び602条に定める期間を超えない賃貸をすることはこの限りでない。

2 相続人が915条第1項の3か月内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき

3 相続人が限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。

以上のとおりなっているので、例えば原則として、相続財産を売却したり、預貯金の相続手続きをした場合には、単純承認となり、相続放棄はできません。

 なお、被相続人の負債の支払、身分相応の葬儀費用の支払、お守り、衣類などの価値のないものを持ち帰った場合については、単純承認には当たらないとされています。

 保険金については、リンクのとおりです。

不動産がある場合の注意事項

相続放棄によって相続人とならなかったと看做されますが、被相続人の遺産に不動産がある場合には注意が必要です。

民法940条 1(令和5年4月1日改正)

相続放棄をした者がその相続の時に相続財産に属する財産を現に占有している場合には、相続人又は相続財産法人に対して当該財産を引き渡すまでの間、その財産を保存する義務を負う。この場合には、相続の放棄をした者は、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存すれば足りる。

上記条文のため、相続放棄をしても、固定資産税の課税はありません(但し下記注意)が、相続のとき不動産の占有をしている場合には、不動産の除草剪定や老朽建物の撤去、相続財産管理人選任の請求などの請求が市役所等からくることがあります。

固定資産税と相続放棄の注意事項

地方税法343条 

1 固定資産税は、固定資産の所有者(省略)に課する。

2 前項の所有者とは、土地又は家屋については、登記簿又は土地補充課税台帳若しくは家屋補充課税台帳に所有者(省略)として登記又は登録されている者をいう。この場合において、所有者として登記又は登録されている個人が賦課期日前に死亡しているとき(省略)は同日において当該土地又は建物を現に所有しているものとする。

※固定資産税の賦課期日は毎年1月1日です。

例えば、令和4年12月15日に父が死亡し、唯一の相続人である長男が令和5年1月10日に相続放棄の申述が受理されても1月1日時点で現に土地、建物を所有していたとして令和4年分については固定資産税が課税される可能性があります。この場合、現実的ではありませんが、令和4年12月28日までの相続放棄の手続きを完了し、さらに市役所等に通知等をする必要があるのです。なお、本件では、令和5年分以降は、固定資産税は課税されません。

相続放棄をしましたが、被相続人の債権者から請求がきています。どのように対処すれば良いでしょうか。

相続放棄の手続きが完了していますので、家庭裁判所から到達している通知書の写し等を送付して下さい。

突然、数年前に亡くなった父の債権者から請求書が届きました。父とは音信不通な状況で亡くなったこともこの通知で知りました。負債を相続するつもりはありません。どのような方法があるでしょうか

家庭裁判所による相続放棄の手続きをすれば、良いでしょう。相続放棄が認められればはじめから相続人でならなかったことになり、負債を相続することもありません。問題は、申述期間ですが、亡くなったことを知ったときから3か月ですので問題ないでしょう。

父が亡くなり、兄が遺産のすべを相続する内容の遺産分割をしました。後日、父の債権者から請求書が突然届きました。負債の存在は全く知りませんでした。負債を相続しない方法はないでしょうか。

本件の問題点は、事実上、遺産の放棄をしているので、単純承認(921条1号)に該当する可能であることですが、判例(最判昭和59年4月27日)は、相続放棄の3ヶ月の起算点を「相続人が相続財産の全部若しくは一部の存在を認識した時又は通常これを認識しうべかりし時」と解釈しています。

本件であれば、負債の相続を知っていたのであれば、通常であれば相続放棄の手続きをしたはずです。判例からみると父の債権者から請求書が到達した日から3か月以内の申立をすれば相続放棄が可能です。

父が亡くなりましたが、負債があることが分かっているので、相続放棄を検討しています。しかしながら、父の掛けていた生命保険の受取人になっています。相続放棄をすると生命保険金を受領できないのでしょうか。

上記については、保険契約の保険金の受取人の指定の方法によって結論が異なります。

①受取人が特定の受取人または相続人となっている場合                                                                  この場合は、保険金の受取は、受取人の固有の権利であり、相続財産ではありませんので、相続放棄をしても保険金を受けとることができます。また、相続の単純承認(民法921条)にも該当しません。

②受取人が被相続人となっている場合

この場合は、保険金が相続財産となるので、相続放棄をした場合は、保険金を受け取ることができません。また、保険金を受け取った場合、相続の単純承認(民法921条)にになる場合があります。

 

保険金は、①の場合、相続財産ではありませんが、相続税法上は、みなし相続財産になります(相続税法3条1項1号)

相続放棄 相続放棄の申述期間が迫っていますが、書類が揃っていません。どのようにしたら良いでしょうか。

相続放棄は、申述期間をすぎるとできないので、ある書類で申立をします。不足している書類は、申立後に補完します。管轄は、被相続人の最後の住所地(原則)ですが、推定される家庭裁判所に申立をします。仮に後に管轄違いが発覚した場合には、家庭裁判所に移送してもらいます。

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